外壁塗装の塗料に使われる有機溶剤の影響や対策について
外壁塗装や屋根塗装で使用される塗料の中には「有機溶剤」が使われている種類も存在します。
有機溶剤とは、人体に悪影響を及ぼす可能性がある物質であり、とても強い臭いを発するものです。
こう言ったことからも最近では有害物質が含まれていない塗料を使うシーンも増えています。
そこで本ページでは、外壁塗装の塗料に含有されている有機溶剤とは何か？
そして、どのような影響を及ぼす可能性があるのか？
そして、どのような対策を取れば影響を受けないのかをご紹介していきたいと思います。
・長時間臭いを嗅いでしまったり、無防備でいると人体に悪影響を及ぼす可能性がある。
・影響を受けないための対策を事前に取ることが大切。
外壁塗装の塗料に含まれる「有機溶剤」とは？
そもそも「有機溶剤」ってどんなものなのかあなたはご存知ですか？
恐らく聴き慣れないという方も多いのではないでしょうか？
仕事でこう言った成分が入っているものを使用しない限りは中々聞き慣れないですね。
そんな「有機溶剤」とは、
溶剤（溶かす）である有機化合物のことです。
実は相当な種類が存在しており、様々なシーンで使われています。
我々がよく使っているような製品にも使用されています。
特に医薬品、農薬、化学繊維、ゴムなどには使用されていますね。
そのほかにも印刷や塗装などにも使用されています。
塗料に使われる有機溶剤の種類について
外壁塗装などで使用される塗料に含まれる「有機溶剤」としては、
シンナーがその主たるものになります。
塗料の中には、イソプロピルアルコール、１ーブタノール、メタノール、キシレンなどが使われています。
あなたもシンナーがどのようなものかご存知であるように、
とても強い臭いを発する物質で、長時間はとてもじゃないけど嗅いでいられないほどの刺激臭がしますよね。
このようにシンナーのような有機溶剤は、
長時間の吸いすぎは人体に悪影響が出ることがすでに明らかとなっています。
時に幼児や高齢者は顕著に現れるため非常に危険です。
こうした有機溶剤については、
厚生労働省から塗料を扱う仕事をする際には特殊健康診断、作業環境測定、蒸気の発散源対策、
作業主任者の選任などを義務づけが必要とされるほど危険なものになっています。
外壁塗装の塗料に含まれる「有機溶剤」が及ぼす人体への影響について
外壁塗装では「有機溶剤」が含まれている塗料が使われます。
したがって、場合によっては人体に悪影響が出る可能性があります。
もちろん出ることは滅多にないと思いますが、可能性はありますのでまずはどんな症状が出るのかを見ていきましょう。
有機溶剤で人体に起こる影響一覧
| 目 |
・かすみ ・かゆみ ・涙が出る ・チカチカする ・失明 |
|---|---|
| 鼻 |
・鼻水が出る ・鼻が詰まる ・鼻血 |
| 耳 |
・かゆみ ・聞こえづらくなる ・痛みが出る ・耳鳴り |
| 口腔 |
・咳が出る ・痛み ・口が乾く ・よだれが出る ・声がかすれる |
| 胃腸 |
・吐き気 ・下痢 ・胃痛 ・大腸炎 ・小腸炎 ・食欲減退 |
| 皮膚 |
・かゆみ ・発疹 ・肌荒れ |
| 筋肉・神経 |
・筋肉痛 ・麻痺 ・痙攣 |
| その他 |
・頭痛 ・胸の痛み ・動悸が激しくなる ・汗が増える ・手足の冷え ・生理不順 ・イライラする ・鬱状態になる ・不眠症 ・震える ・貧血 |
有機溶剤の影響を受けやすい人について
塗料に含まれる「有機溶剤」では場合によっては人体に影響を及ぼすことをご紹介しました。
実は、この影響は受けやすい人、受けにくい人がいます。
まずは、受けにくいのは「成人の健康な大人」です。
時に若い世代は免疫力もあるため、多少吸ったぐらいでは影響はほとんど出ないでしょう。
対して、影響が受けやすいのは、
幼児、高齢者、妊婦などです。
まず、幼児はそもそも免疫力が高くありません。
したがって、大人が吸ってしまって影響が出る時間よりもっと早く、
体に何かしらの影響が出ると言えます。
もし、まだ生まれたばかりのお子さんがいるような場合には、
塗装工事を行なっている期間中、特に塗っている時間はあまり家にいない方が良いでしょう。
家の中でもかなりの臭いがするので、もしかしたら何かしらの影響が出る可能性があります。
次に高齢者です。
高齢者もまた、免疫力の低下による影響が出やすい人になります。
ただし、乳幼児よりかはまだマシですね。
しかしながら、
呼吸器系に何かしらの疾患があるような場合には、
悪化しやすいので、やはり塗装期間中はあまり家にいない方が良いでしょう。
そして、最後は妊婦さんです。
これは母体、お腹にいるお子さんに悪影響が出る可能性があります。
時にまだお腹にいるお子さんですね。
母親が吸った有機溶剤がお腹にいる子供にダイレクトに伝われることで、
何かしらの影響が出る可能性があるためです。
したがって、外壁塗装期間中は別の場所で生活するなど対策をした方が良いでしょう。
口だけじゃなく皮膚からも吸収する
実は「有機溶剤」は口から吸うだけでなく、皮膚からも吸収してしまいます。
塗装職人が上下をバッチリと着込んで肌を出さないのはこのためです。
もちろんマスクもですが。
実は、有機溶剤は揮発性の高い物質なため、
皮膚からも入り込んでしまいます。
これは油脂でも溶けるという性質なためですね。
つまり、
臭いと感じたとしても、肌の露出が多ければ、
それだけ体内に吸収する可能性が高まってしまいます。
したがって、
皮膚炎が出るなどの症状が出るわけです。
特に皮膚疾患がある方は、注意が必要となっています。
外壁塗装中にできる有機溶剤から体を守る対策について
もしこれから外壁塗装や屋根塗装を行う予定のある方は、
事前にいくつかのポイントに注意すれば人体に影響が出ることはないでしょう。
くれぐれも怖いからと言って外壁塗装を怠ることはおやめくださいね。笑
というのも外壁塗装をしないと家が劣化してダメになってしまうので、絶対に必要な作業でもあります。
したがって、自分たちでできる対策をとって家も体も健康的でいましょう。
水性塗料を使用する
外壁塗装で使用される塗料には、油性塗料と水性塗料の2種類があります。
このうち、油性塗料についてはシンナーなどの有機溶剤が使用されているため強い臭いが発生します。
対して、水性塗料の場合には、
希釈に水が使われているため、油性塗料に比べて臭いが大分マシです。
そのため、最近では使用される機会が増えています。
ただし、家の状態によっては油性塗料を使用しないといけない場合もあります。
こればかりは業者と相談してみてくださいね。
また、水性塗料の少しの有害物質でさえ気になるという方は、
自然塗料なども考慮してみるのも良いでしょう。
ただし、自然塗料も必ずしも安全であるわけではないので、やはり業者に相談して決めるのが良いと思います。
マスクをする
もし、どうしても家にいないといけない事情がある場合には、
防毒マスクなどを使用してみてください。
ホームセンターやネットでも気軽に買えるのでオススメです。
ただし、24時間マスクを着用するのは難しいと思いますので、
つける際には、塗装工事を行なっている時間帯だけにしておきましょう。
もし、工事後でも臭いが強い場合には、
塗装工事期間中はなるべく着用するようにしてくださいね。
コロナ禍もあり、マスクには慣れていると思いますのでもし嫌でなければ着用をお勧めします。
工事期間中の注意事項を守ろう
外壁塗装工事中は、
絶対に窓を開けない、換気をしないことを徹底してください。
期間中は、臭いだけでなく埃やチリ、空き巣なども増えます。
家の中でマスクをしていても、
換気のために窓を開けてしまったら全く意味がありません。
したがって、必ず窓を閉めるようにしてくださいね。
外壁塗装中は別の場所にいる
もし、可能なのであれば外壁塗装期間中は別の場所で過ごすことも視野に入れてみてくださいね。
特に乳幼児がいるご家庭、妊婦さんがいるご家庭は注意です。
あと高齢者もですね。
最もオススメなのは、
実家に帰省するのが費用もかからず良いでしょう。
ただし全ての方ができるわけではないですよね。
もし難しい場合には、
近くのビジネスホテルやマンスリーマンションなどを利用されるのがオススメです。
ご家族が多い場合には、マンスリーマンションの方が安くなる場合もあります。
費用がかかりますので、
必ずしもできることではありませんが、影響を受けやすい人がいる場合には、
工事期間中だけでも検討してみてくださいね。
外壁塗装は、通常であれば1週間〜2週間程度の期間で終了します。
日中だけ外出する
もし、工事期間中にどこか別の場所へ移動することが難しい場合には、
工事が実施されている時間帯だけでも外出するという方法も取れます。
これは最も費用がかからない方法ですね。
例えば、カフェに行くとか買い物にいくとか、友人と会ってみるとか。
いろいろなことが考えられますね。
ただし、2週間ほとんど毎日どこかで時間を潰さないといけないので大変と言えば大変です。
もし、期間中に移動して生活はできないけど、
近くに実家があるなんて場合には、実家に行くのがベストですね。
外壁塗装の塗料に含まれる有機溶剤についてまとめ
本ページでは、
外壁塗装で使われる塗料に含まれる「有機溶剤」についてご紹介していきました。
最後に今回の内容をまとめていきたいと思います。
- 塗料に含まれる有機溶剤は主にシンナー。
- 有機溶剤は強い臭いを発し、揮発性が高く、人体に悪影響を及ぼす恐れがある。
- 影響を受けると、人体に様々な症状が出る。
- 特に乳幼児や妊婦、高齢者は注意が必要。
- 工事期間中にできる対策で健康に過ごそう。
いかがだったでしょうか？
今回は、あまり聞き慣れない「有機溶剤」についてまとめてみました。
有機溶剤と聞くとピンとこないですが「シンナー」と聞くと「ああ」となる方も多いでしょう。
実際に、シンナーは様々な物に使われているので、
一度はあの刺激臭を嗅いだことがあるはずです。
私も昔ガンプラを作っている時に、
塗料を薄めるいわゆる薄め液の臭いを長時間嗅いでしまって、
その結果、気管支がやられてしまった思い出があります・・・・・
このように健康的な方でもいつどのような影響が出るのか分からないのが怖いところ。
是非、外壁塗装期間中は自分でできる対策をして健康なまま工事を終えてくださいね。
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