屋根塗装で使うタスペーサーとは?メリット&デメリットを解説
屋根塗装で使われる「タスペーサー」って、どのような道具なのでしょうか?
「どんな時に使われるの?」、「使用目的は?」、「種類や費用は?」なんて疑問をお持ちの方に向けて、
本ページでは、タスペーサーの必要性や使用する際のメリットやデメリットなどについて解説しています。
・タスペーサーは、屋根材の隙間を埋めないための道具
・スレート屋根のみ使用が可能な道具
・雨漏りを防いだり、施工期間を短くするメリットがある
・デメリットや注意点もある
屋根塗装で使われる「タスペーサー」とは?
あなたはそもそも「タスペーサー」という道具をご存知でしょうか?また聞いたことはありますか?
恐らくですが、屋根塗装をまだ一度も行っていないという方からすると、
あまり聞き慣れないワードだと思います。
では、実際にはどのような役割を持っている道具なのでしょうか?
簡単に説明すると、
屋根塗装をする際に、屋根材の隙間に塗料が入り込んでしまわないようにするために、
設置される道具のことです。
いわゆる「縁切り」と言われる工法になります。
タスペーサーと従来の縁切り工法の比較
実は、縁切りと言えばこれまでにメジャーだったのは、
カッターや皮スキなどを使って、職人さんが手作業で隙間を作っていました。
これに対して、タスペーサーは設置するのみとなっており、より確実に隙間を作り、より時間を短縮することに成功しています。
また、
後述しますが、タスペーサーの場合には設置後に上塗りが可能なため、
より仕上がりが美しくなるのが特徴です。
タスペーサーの特徴
作業時間 | 約1〜2時間 |
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費用(単価相場) | 300~500円/㎡ |
従来の縁切りの特徴
作業時間 | 約1日 |
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費用(単価相場) | 600~800円/㎡ |
タスペーサーの使える屋根について
実は、タスペーサーはどんな屋根材にも使用できるわけではありません。
したがって、設置したいと思ってもまずはあなたのお家の屋根の素材を確認しないといけません。
いきなり結論からなのですが、
「タスペーサー」が使えるor必要な屋根は、「スレート屋根」となっています。
スレート屋根は、
最もメジャーと言えるであろう屋根材であり、「コロニアル」や「カラーベスト」などが含まれます。
あなたのお家はいかがでしょうか?
スレート屋根の特徴として、
上下の屋根の隙間が狭くなりがちであることです。
したがって、タスペーサーが必要なのです。
しかしながら、
どんなスレート屋根であってもタスペーサーが必要なわけではなく、
重なり合っている隙間がある程度ある場合には設置の必要はありません。
タスペーサーの工法について
シングル工法 |
屋根材1つに対してタスペーサーを1つ設置する工法。 屋根材の幅が60cmの場合に1つ使用します。 |
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ダブル工法 |
屋根材1つに対して2つのタスペーサーを設置する工法。 屋根材の幅が91cmの場合に2箇所取り付けます。 |
タスペーサーの種類について
タスペーサーは、
株式会社セイムが販売している縁切り作業の際に使用される道具です。
現在、発売中となっているのは、「タスペーサー01」と「タスペーサー02」となります。
廃盤にはなっていますのが「タスペーサー03」という種類も存在します。
それぞれの特徴などがありますので、
以下で簡単にご紹介したいと思います。
タスペーサー01の特徴
- Z型の内部構造になっている
- 耐溶剤性やバネ性能などが従来のものより優れている
- 洗浄後に設置が可能
- 通気性に優れている
- 最大80㎏の負荷に対応可能
- カラーはブラックのみ
タスペーサー02の特徴
- 対応している屋根が多い
- スレート自体に劣化があまり見られない場合に使われる事が多い
- ブラックとブラウンの2色展開
- 手で簡単に設置ができる
タスペーサー03の特徴
- 内部がS字構造になっている
- 屋根の劣化が激しい場合に使用されていた
- 現在は廃盤で販売されていない
- カラーはブラックのみ
タスペーサーのメリット
屋根塗装にて「タスペーサー」を設置するかどうかを考えている方も多いと思います。
そのような方に向けて、使用することで得られるメリットについてご紹介したいと思います。
今、検討中である方は是非チェックください。
施工時間の短縮
従来の方法で行う縁切りは、
上塗り後に職人が手作業で隙間を作る作業を行わないといけませんでした。
したがって、施工期間も長くなっていました。
対して、
タスペーサーは、下塗りの段階から設置することが可能となっており、
上塗りの後に作業を行う必要がないため、従来の方法に比べて施工時間を短縮できます。
従来の縁切りには、約1日程度必要でした。
それがタスペーサーであれば、約1時間〜2時間程度。
施工はなるべく早く終わらせたいというのが普通です。
したがって、
時間の短縮は、大きなメリットになると言えます。
人件費の削減
従来の縁切りでは、
職人が2人で行っても1日かかる作業でした。
対して、タスペーサーはわずかな時間で作業が終了します。
その結果、人件費が安く済みます。
したがって、トータルの工事費用も少しお安くなります。
たかが、「1万円や2万円」と思われるかもしれませんが、結構大きいな違いですよ。
タスペーサーを使う場合には、
道具の費用はかかってしまいますが、施工費用をトータルで確認すると、
やはり少し安いのでメリットになるでしょう。
屋根が汚れたり剥がれたりすることがない
従来の縁切りでは、
塗装後に職人が屋根に登って、手作業で隙間を作る作業を行います。
その結果、足跡がついたり、塗装面が剥がれてしまうこともありました。
これに対して、
タスペーサーは、下塗りの段階で設置が終わっているので、
足跡がつくこともありませんし、傷がつくこともありません。
塗装後に隙間が埋まることがない
従来の縁切りであれば、塗装後に職人が隙間を作ります。
しかしながら、乾燥が不十分だったりすると、一度作った隙間に塗料が流れてしまい、
塗膜が密着してしまって、塞がれてしまうことがあります。
これに対して、
タスペーサーを設置すれば、このようなことはないので、大きなメリットになると言えます。
タスペーサーのデメリット
タスペーサーはとても優れた道具であり、
使用することで沢山のメリットが得られます。
しかしながら、デメリットも存在するため、しっかりと良し悪しを把握した上で使用することが大切です。
スレートが割れる可能性がある
タスペーサーを使用する際に、
スレートが劣化している場合には、設置段階で割れてしまう恐れがあります。
とは言え、普通にメンテナンスを行っている場合にはあまり起こり得ない症状です。
しかしながら、
スレート屋根だからという理由で、
劣化状況をあまりよく確認しないで、採用してしまう業者もいますので注意が必要です。
事前に、
スレート屋根かどうか、劣化の状態はどうなのか?などを
業者に相談したり、不安であれば相見積もりなどをとることをオススメします。
使用できる屋根が限られている
タスペーサーが使用できるのは「スレート屋根」のみです。
さらに、隙間が4mm以上ある場合には使う必要はありませんし、
劣化が進んでいる場合には、そもそも使うことができません。
限られた範囲内でしか使用できないという意味では、
デメリットに感じる方もいるのではないでしょうか?
屋根塗装でタスペーサーが必要or利用をオススメする人について
屋根塗装を行う際に、
タスペーサーの設置が必要な方、そして利用するのがオススメな方をご紹介したいと思います。
対して、利用がオススメできない人も合わせてご紹介するのでチェックください!
タスペーサーの利用が向いている人
- スレート屋根である
- 仕上がりの美観を保ちたい方
- 始めての屋根塗装の方(スレート屋根に限る)
- 施工時間を短縮したい方
- 工事費用をなるべく抑えたい方
タスペーサーが利用できない人
- スレート以外の屋根材である
- スレート屋根の劣化が激しい場合
- 屋根材の下にある野地板が劣化している場合
- 屋根材同士に4㎜以上の隙間がある場合
上記の通り、
タスペーサーは、どんな屋根でも使用ができるような道具ではありません。
また、限られた範囲内で利用する際にも、メリット・デメリットをよく考えた上で採用しましょう。
屋根塗装で使うタスペーサーの費用相場について
屋根塗装時に行う縁切りにて、
タスペーサーを採用するとしたら一体、どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
実際に、利用を検討されている方からしたら一番気になるところでもあります。
気になる費用相場は、
大体単価相場だと「300円~500円/㎡」となるでしょう。
トータルコスト的には、
30坪の住宅で、大体「約3万円〜5万円」程度になることが多いです。
とは言え、屋根面積などは各異なるので、これ以上かかる場合もあります。
タスペーサーを使用しない場合の縁切りの費用相場は、
「600~800円」となっているので、やや高くなる傾向になります。
費用面だけで見るのはあまりよくないですが、様々なメリットをとってもタスペーサーを設置するのがオススメです。
屋根塗装で使うタスペーサーについてまとめ
本ページでは、
屋根塗装において、使用される「タスペーサー」についてご紹介しました。
最後に今回の内容をまとめてみます。
- タスペーサーは、屋根材の隙間を作るための道具
- 使用できるのは、スレート屋根のみ
- 使用目的は、塗料が隙間に入り込まないため
- メリットは、施工時間や人件費の短縮・削減、屋根の傷を防ぐ
- デメリットは、誤った方法ではスレート屋根が割れる可能性がある、使える屋根が限られていること
- タスペーサーの費用相場は、300~500円/㎡程度
いかがだったでしょうか?
本ページをご覧になる前に、タスペーサーとは何?どんな目的があるの?
なんて思われていた方は解決できましたか?
スレート屋根にとっては、
もはやないといけないもの=必須の道具とも言えます。
塗料が隙間に入り込まないというだけでなく、
内部に溜まった水を流すためにも重要な役割を果たしています。
これによって「雨漏り」が防げているのです。
もし、今屋根塗装を検討されており、
「タスペーサー」を使用するかどうか迷っているという方は、
まずは、家の屋根材を調べた上で、使用できるかどうかを業者に判断してもらいましょう。
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