外壁通気工法とは?メリット・デメリット及び見分け方について
「外壁通気工法」ってどのような工法なのでしょうか?
結露が出来ないように設けられた通気層によって、内部が腐食しないように防止している役割を持っています。
そんな「外壁通気工法」とはどのようなものなのか?またメリット及びデメリットをご紹介しています。
あなたのお家にも採用されているはずなので、種類や見分け方についても是非ご覧ください。
・「外壁通気工法」は、結露を防止するために設けられた通気層のこと。
・種類は、主に通気工法と直張工法がある。
・メリット・デメリットはそれぞれある。
・外壁通気工法を見分ける方法について解説
・メンテナンス方法について解説
外壁通気工法とは?
あなたは「外壁通気工法」と言う物をご存知でしょうか?
恐らく、普通の方はご存知ないかと思います。
実は、ほとんどの戸建て住宅に採用されている工法だったりもします。(サイディングの場合)
役割としては、
壁内の湿気(結露)を防止するために、通気層を作って、
湿度を外へ排出しましょうと言う設備を設ける事です。
では、何故壁内に結露が溜まってはいけないのか見ていきましょう。
壁内の結露がもたらすリスクについて
壁内に湿気が溜まってしまう事で、結露が発生したりカビの原因となります。
これらが永遠に排出されずに壁内に止まる事で、外壁の木材などが腐食していきます。
そしてやがて、根幹となる部分の劣化につながり、大掛かりな補修工事が必要となります。
また、壁内に増殖したカビによってアレルギー反応を起こしてしまったりと、
人体にも少なからず悪影響を及ぼす可能性があります。
このような事態を避けるために、「外壁通気工法」と言うものが採用されており、
主に下に開口部があり、湿気は上に向かって抜けていく構造となっています。
外壁通気工法の構造について
「外壁通気工法」の構造は、
屋外側壁下地に透湿防水シートを貼り、15mm以上の空間をあけて外壁仕上げ材が貼られています。
これらによって、適切に湿気を外部に排出し乾燥させる事ができます。
棟換気口を設けない場合には、
下から入ってきた空気が軒裏の排気口に向かって空気が流れるような設計になっています。
棟換気口が設けられている場合には、
棟換気口に向かって空気が流れていく設計になっています。
外壁通気工法の種類について
「外壁通気工法」は、大きく分けて2種類となっています。
「通気工法」と「直張工法」がありますので、ぞれぞれの違いを簡単にご紹介したいと思います。
通気工法について
「直張工法」は、
柱と外壁材の間に通気層を設ける工法です。
室内から発生する湿気については、断熱材の外部に透湿防水シートを張る事で対応します。
現在は、一般的に採用されている工法になります。
直張工法
「直張工法」は、
昔から採用されてきた工法であり、柱の外側に防水紙を張って、その上から外壁材を直接張り付ける工法になります。
特徴としては、通気層がない事です。
「外壁通気工法」のメリットについて
「外壁通気工法」のメリットについて解説していきたいと思います。
一体、どのような点でオススメされているかを把握することも大切です。
建物の劣化防止効果
住宅において、湿気や水などは基礎部分に大きなダメージを及ぼす大敵です。
「外壁通気工法」においては、このような湿気や結露を防止する効果があります。
壁内に設けられたわずかな通気層によって、空気の流れを確保しています。
このように湿度を溜め込まずに乾燥されるような構造になっていることで、
カビや外壁材などの腐食を防止しています。
つまり、建物の劣化の防止の役割を担っています。
外壁塗装ではなく、補修工事を行う場合には費用がとても高くなりますので、
コスト面で見てみても、とても大切な設備となっています。
人体への悪影響の防止効果
湿気はカビの発生の原因ですよね。
カビは恐らくほとんどの方が見たことあると思います。
なんとなく汚いな〜なんてイメージですよね。
しかしながら、
それは常にカビとともに一緒にいるわけではないからだと思います。
実際に「外壁通気工法」がないと外壁内に発生した結露などによって、
瞬く間にカビが発生し、酷い場合には屋内の壁一面に黒カビが出ることもあります。
このようにカビが常にあるような環境で生活していると、アレルギーの原因になったりします。
また、喘息を持っていたり、赤ちゃん、高齢者の場合には重大な病気の原因になる場合もあり、
こういった意味でも人体への影響はとても大きいものとなっています。
このカビの発生を防止すると言う意味でも、「外壁通気工法」はとても重要な工法となっています。
夏季の遮熱効果
「外壁通気工法」によって、遮熱効果も期待できます。
特に夏は通気層の効果によって、遮熱効果を得ることができて、屋内の冷房効果を向上させます。
これは通気層が熱を逃す効果がある事が大きな要因となっています。
「外壁通気工法」のデメリットについて
「外壁通気工法」はとても優れた工法であり、私たちにとってもなくてはならない構造です。
しかしながら、完璧に見えるものでも必ず欠点はあります。
次は、デメリットについてご紹介していきたいと思います。
通気層以外の箇所の結露や湿気には弱い
「外壁通気工法」は、通気層によって湿気や結露などを防止して乾燥させる効果があります。
しかしながら、気密断熱性が不十分なために通気層以外の箇所に結露が発生したり、
湿気が溜まったしまった場合には、通気層の役割は全く意味がなくなります。
こういったことからも、「外壁通気工法」を行う際には、
確実な工事が必要となりますので、こうしたトラブルがある分、施工性について少し難点があると言えます。
火災時の危険性
通気層は普段はとても大きな効果がありメリットも大きいのですが、
もし万が一にでも火災が発生した場合には、この通気層が煙突効果によって炎の抜け道になる可能性があります。
これらによって、火災が一気に拡大してしまう恐れがあります。
もちろん、頻繁にある事ではないのですが、
仮に火災が発生した場合には、命に重大に関わってくる事態になります。
外壁の強度が落ちる
「外壁通気工法」では、
柱と外壁の間に通気層を設けているために、通常より留具(釘)の負担が大きくなります。
最悪の場合、外壁が外れてしまう恐れもあります。
もちろん、大きな負荷がかからない限りはそう簡単にはとれませんが、
地震などが起きた際に、外壁が落下すると言う可能性も否定はできません。
そういった意味では外壁の強度が直張と比較するとやや弱いと言うのがデメリットでしょう。
外壁通気工法の見分け方について
外壁通気工法には、主に2つの種類があると序盤でご紹介しました。
最近では主流となっているサイディングに、一昔前は直張工法が採用されていました。
この背景には、コスト面でのメリットが大きかったからと言うのが理由です。
一方で、
直張り工法による結露の発生などが問題視されてからは、
新たに「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(通称・品格法)が定められて、通気工法が推奨されるようになりました。
では、自分の家が「通気工法」なのか、「直張工法」なのかを見分けるための方法をご紹介していきたいと思います。
ここでは2つの方法によって見分ける術をご紹介したいと思います。
水切りから確認する
実は、「外壁通気工法」の種類を確認する方法として「水切りを確認する」と言う物があります。
水切りとは、建物の基礎と壁を隔てる部分にある物です。
通気工法の場合には、
通気層を設けていることで、壁に厚みができるのが特徴的です。
対して、直張工法はこの厚みがないのが特徴です。
サイディングと水切りの隙間に定規などを差し込んで、
その程度の奥行きがあるのかを確認するのがベストです。
この時、奥行きが2㎝ほどある場合は通気工法である可能性が高いです。
水切りを使った確認方法はとても簡単なのでオススメです。
外壁を剥がして確認する
水切りでの確認方法が最も簡単で安全なのですが、
もしそれでも明確に判断する事ができない場合には、外壁を剥がして確認する方法もあります。
確認方法は、
外壁のコーキング部分をカッターなどで切りつけて、バールなどで外壁を浮かせます。
この際に、通気工法であれば「通気胴縁(つうきどうぶち)」があるかと思います。
「通気胴縁」は、
空気が通る隙間を確保するための木材となっており、外壁を剥がす事ですぐに確認する事ができると思います。
外壁通気工法のメンテナンスについて
「外壁通気工法」も劣化をしないわけではありません。
経年劣化によって、内部が痛んでしまう前に定期的なメンテナンスを必要とします。
直張工法及び、通気工法のそれぞれのメンテナンス方法についてご紹介していきたいと思います。
あなたのお家がどちらを採用しているかによってもメンテナンス方法が異なりますので是非チェックください。
通気工法のメンテナンスについて
「通気工法」を採用している場合のメンテナンスは、主には塗装による補修が可能となります。
いわゆる塗り替えによって、補修が可能なのでコスト面においても比較的リーズナブルに行えるのがメリットです。
もちろん、外壁の状態が悪く著しく劣化が見られる場合には、
張り替えを行うこともありますが、基本的には塗り替えが推奨されています。
屋根塗装などと合わせて行えるので足場代も一度ですみますし、
支払うときには大きな額に見えるかもしれませんが、
トータルコストでは最も安く抑えられます。
直張工法のメンテナンスについて
「直張工法」を採用している場合には、注意が必要となっています。
というのも、メンテナンスの方法として「塗り替え」ができないためです。
では、どういった方法で補修をするのか?
「直張工法」では、張り替えを推奨しています。
もちろん極論、塗装での対応はできますが、現状大きな劣化が見られていない場合に限ります。
しかしながら、そもそも「直張工法」にはデメリットが大きく、必ず内部に結露や湿気が見られ劣化が大きくなるとされています。
したがって、
もし、「直張工法」の場合にはメンテナンス時に「通気工法」による張り替えをするのをオススメします。
張り替え時には高く感じるかもしれませんが、今後は塗り替えのメンテナンスで済みますし、
お家を長く綺麗に保つ事ができます。
外壁通気工法についてまとめ
本ページでは、
「外壁通気工法」について簡単にご紹介していきました。
最後に今回の内容をまとめていきたいと思います。
- 「外壁通気工法」は、柱と外壁の間に通気層を作って、湿気や結露を防止するための役割を担っている。
- 一昔前には、直張工法が主流だったが現在は「通気工法」が主流に。
- 直張工法は、通気層がないため湿気の逃げ道がなく、結露が滞り、内部の劣化に繋がる。
- 「通気工法」は、内部の湿気防止以外にもカビ防止の効果もある。
- 「通気工法」には、外壁の強度が下がったり、火災の際に炎が広がってしまうデメリットもある。
- 「外壁通気工法」の種類を見分けるには、「水切りを確認する方法」、「外壁を剥がして確認する方法」がある。
- 「直張工法」のメンテナンスは、基本的には張り替えが推奨されている。
- 「通気工法」のメンテナンスは、塗り替えが基本。
いかがだったでしょうか?
現在、サイディングが主流となっている一般戸建てにおいて、
必須の構造ともいえる「外壁通気工法」。
こちらはご理解いただけましたか?
家も湿度や雨なんかに弱いのはなんとなくわかっていたと思いますが、
こうした細かな構造によって、内部の湿気を逃していたんですね。
ただし、
今から10年〜20年前の戸建てに関してはいまだに「直張工法」であることも多いので、
もし、次メンテナンスをする際には張り替えを検討してみるのもオススメです。
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