屋根塗装における縁切りとは?作業方法やその必要性について
屋根塗装を検討中の方で「縁切り」というワードをネットなどで知ってどういう作業方法なの?なんて思っている方も多いでしょう。
本記事では、そのような方やこれから先、工事をするかもしれない方に向けて、
縁切りの作業方法やどういった効果があるのか、またその必要性などについてご紹介していきたいと思います。
・屋根塗装における縁切りとは?
・縁切りする必要性について
・縁切りの費用相場について
・縁切りの作業方法について
・縁切りをしないとどのようなリスクがあるのか?
屋根塗装における縁切りとは?
今現在、屋根塗装を検討中だという方は意外といらっしゃると思います。
前回の塗装から結構な年数が経っている、雨漏りが心配、少し割れている箇所があるなんてことから、
そろそろ業者さんにお願いして、補修をしてもらいたいと考えていることでしょう。
今は、ネットも普及しており、
ご年配の方でも業者選びの前に、何かしら検索される方も多いです。
その中で、「縁切り」というワードを目にすることも多いのではないでしょうか?
よくネットの記事なんかには、
・縁切りは屋根塗装では絶対に必要なもの
・縁切りが見積書にない場合は悪徳業者の可能性がある
なんて書かれているのを目にする事もあるかと思います。
そこで、単純に「縁切り」ってどういう工法なのだろうか?
こんな疑問を持たれませんでしたか?
今回は、そのような方に向けてまずは「縁切り」がどういったものなのかをご紹介してきたいと思います。
縁切りとは?
「縁切り(えんきり)」は、
ストレート瓦の屋根で塗装を行う際に、瓦の重ね目(重なった部分の隙間)に、
塗料が入り込んだまま乾燥してしまい、塞がってしまうのを防ぐために、
その隙間に入り込んだ塗料をカットする作業のことです。
縁切りは何故必要なのか?
では何故、屋根塗装において「縁切り」が必要だと言われているのでしょうか?
実は、雨が降った場合、このストレート瓦の重ね目(隙間)部分から、雨水を流すことで、
内部に水分が溜まるのを防いでいます。
そのため、縁切りをしないままで塗料が隙間に埋まっている状態ですと、
外に水分を排出できないまま、雨漏りなどの劣化の進行を促進する可能性があります。
上記のことからも、
縁切りが必要な屋根の場合、しっかりと丁寧に隙間にある塗料をカットしておかないと、
長期的な視点では、劣化が早まる可能性があります。
そのため、必要だと言われています。
縁切りの費用相場
坪数 | タスペーサーの使用量 | 費用相場 |
---|---|---|
30坪 | 約1000個 | 2万円〜6万円 |
上記をご覧になっていただければ、
わかる通り、タスペーサーを使用した場合の縁切りのコストというのは、そこまで高いものではありません。
約30坪のお家であれば、1000個程度のタスペーサーを使用します。
とっても数が多いから、費用も高くなりそうな気もしますが、相場では2万〜6万円程度となっています。
ただし、業者によって価格はまちまちとなっていますので、ご注意ください。
新築後、初めの屋根塗装では縁切りが必要ない
ここまでご覧になった方からすると、
すべての屋根で縁切りが必要なのかなと思いがちですが、実は必要のない場合もあります。
ここでご紹介するのは、「新築後、初めての屋根塗装の時」です。
では、何故必要ないのでしょうか?
それは、
まだ、一度も塗装を行っていない状況ということもあり、隙間が十分に確保されているため、
塗装後に、塗料が埋まって通気性が保たれないという事態にならないためです。
したがって、基本的には新築後、初めての屋根塗装では縁切りは必要ないと思っておいて良いでしょう。
屋根塗装における縁切りの作業内容と方法とは!?
ここまで、縁切りというものがどのようなものなのかをご紹介してきました。
では、今から実際に施工期間中に行われる作業内容や方法などについてご説明していきたいと思います。
どのようなことをするのか知っておくことで、より理解が深まると思いますので、是非ご覧ください。
縁切りの作業方法とは?
先ほども申しました通り、縁切りを行う際にはストレート瓦の隙間に入り込んだ塗料をカットする作業を行っていきます。
従来では、塗装後に重ね目に入り込んだ塗料をカットしていくという方法で作業を行っていました。
この場合、塗装が完全に終了して、乾燥時間をしっかりと設けた上で行います。
ここで「従来?」というところで疑問に持たれた方も多いことでしょう。
実は、今は別の方法で簡単に縁切りを行うことができるのです。
ここ最近で多くの業者で採用されている方法に「タスペーサー」という道具を使用して行う方法があります。
こちらに関しては次項でご説明させていただきます。
現在の縁切りでは「タスペーサー」を使用して作業を行う
現在では、タスペーサーと呼ばれる道具を使用して、縁切り作業を行っていきます。
では、従来の隙間に入り込んだ塗料をカットしていく方法とどのように異なるのでしょうか?
タスペーサーは、
とても小さな道具であり、ストレート瓦の重ね目に挿入することで水が流れる隙間を
作り出すことができる画期的な道具となっています。
また、従来の方法ですと塗装が完全に終了した後に行うのに対して、
タスペーサーを使用する場合は、下塗り後に挿入します。
こうしておくことで、中塗りや上塗りをしても一定の隙間を確保することが可能となります。
この作業をするだけで、従来は一つ一つ丁寧に行っていたカット作業もしなくて済むようになりました。
そのため、従来に比べて時間やコストなどが省けるため、よりメリットが高いと言えるでしょう。
タスペーサーはどんな屋根にも使用できるわけではない
ただし、タスペーサーはとても画期的な道具ですが、
すべての屋根に使用できるわけではありません。
屋根に4mm以上の隙間があるような場合には、挿入することができません。
上記のような屋根の場合、タスペーサーを挿入したところで、
隙間が広いために、固定されずにずり落ちてしまいますので必要ありません。
上記のようにすべての屋根に採用できるわけではないという事を理解しておくと良いでしょう。
縁切りをしないとどのようなリスクがあるのか?
ここまで、縁切りについて一緒にお付き合いして頂きましたが、
実際にこの作業を行わない頃で発生するであろう事態とはどんなものがあるのでしょうか?
今回は、縁切りをしない場合、どのようなリスクがあるのかをご紹介していきたいと思います。
1,雨漏りの発生
すでに、ご説明した通り、縁切りを行いと最悪の場合、雨漏りを起こす可能性があります。
やはり、ストレート瓦の隙間に塗料が入り込んだままですと、
どうしても水分の逃げ道がなくなってしまい、内部に溜まってしまいます。
そうすると、屋根材の腐食が起こり、その後雨漏りが発生するといった悪循環となります。
2,屋根材の劣化
これも雨漏りと通ずるものがあるんですが、
縁切りをしないで屋根内部に水分が溜まった状態ですと、結露が起きてしまい、
そのまま放置すると、屋根材が劣化してしまいます。
そうなると、腐食だけでなく、カビなども発生してしまい、大きな補修工事が必要となり、結果的にコストも高くなってしまいます。
屋根塗装における縁切りについてまとめ
今回も長い間、お付き合いいただきありがとうございました。
「縁切り」といっても、その作業方法や効果、そして必要性について知ることで、
より理解が深まって、業者のいう通りにして失敗するということが少しは減ると思います。
また、見積書をもらった段階で、どんな作業なのかわからず、納得がいかないという事も減るでしょう。
本記事の一番最初で言った通り、
ネット上では、見積書に「縁切り」作業項目がないと注意すべきなんてことが書かれていますが、
必ずしもそれが悪だというわけではありません。
縁切りも必要な屋根の場合に行う必要がある作業であって、
すべてのお家に採用されるべき作業ではありません。
もちろん、中には手抜きを行う業者もあるかもしれませんが、心配であれば縁切りについて聞いてみることをおすすめします。
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